兄がバイオリンをやっていたため(兄は何事にも才能があるタイプ、私はごく標準的…凡人!)、私もバイオリンをやることになりましたが、バイオリンの才能がないことは、本当によくわかってました(バイオリンがうまい方って本当にスゴいです、大尊敬です!)。このままだと全然よくないなと思った。
ということで、今度はピアノに挑戦してみたのです。私はピアノのほうが自分に少しは合ってるのかな?と。毎日何十回もきいていたのがモーツァルトのトルコ行進曲です。まずこれが弾けるようになりたい!と。
ふつうバイエルとかの基本から入門するべきなのですが、私はそれでは、またバイオリンみたいになってしまうのでは?
いきなり、自分が弾きたい曲から入るのが自分のやり方なんだ!と自分に言いきかせてました。
で、結局そのトルコ行進曲、エリーゼのために、ソナチネの9番、あといくつか…この辺で私はショパンの英雄ポロネーズに出会ってしまったのです(これが中学一年生のころ、11歳?)。
この曲に出会ったのは実に驚愕でした。
絶対にこの曲を弾けるようにならないと気が済まない、自分の人生ではない!って確信したのです。ただこの曲、むちゃくちゃに難易度が高い。たしかF難度?上級者中の上級者のための曲です。
それを克服するために、それまでにトライしたのがショパンの幻想即興曲アンプロンプチュ、リストの愛の夢、あとショパンの練習曲をいくつか、そして最後その英雄ポロネーズです。
私はこの英雄ポロネーズには、本当に意地がありました。弾けないと気が済まない!でも、実に危険なトライだったな!って今では思います。
私は楽譜が読めないのです。よく優秀なピアニストが譜面を即興で読んで弾いてる姿があるのですが、私にはなんでそんなことができるのか?が理解できない。
なので、英雄ポロネーズを弾けるようにするためには、それまで弾けてた曲をすべて『おじゃん』にするしかなかったのです(すべて指が楽譜を覚えてくれているのですが、すべて覚えているのは無理です)。
ということで、今では英雄ポロネーズ弾けるようになりました!だけどへたくそなのです。私はこの曲を弾けるようになるまで何千時間も費やしたのです!この時間をたとえば英会話に費やしていたら、今ごろ?とも思うのですが、それが人生なのです。
私は、二千万円以上する名門のピアノ、スタインウェイのピアノで最後英雄ポロネーズを録音したのですが、まともに聴けたもんではないです。
そんなもんです、人生って!
完璧にはいきません!それでいいのです。
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